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お店などの入り口にある、玄関マットが好きだ。
それはつまりどんなものかというと、こういうやつのことである。
お店の名前がデザインされていたり、「いらっしゃいませ」とお店らしい文言が書かれていたりするものもあれば、赤やグレーなど、単色のものもある。
これらは私の心を掴んで離さない。そして私はこのタイプの玄関マットに勝手ながら「外絨毯」という名前をつけ、日々愛でている。
ご存知の通り、玄関マットには様々な種類がある。人工芝っぽい素材でできたものや、たわしのような見た目をしているものなど、そのバリエーションは多種多様だ。
しかしやはり私が心奪われるのは、私が「外絨毯」と呼んでいる、ある程度柔らかさがあり毛足がふんわりしたタイプのものなのである。
なぜ惹かれるのか。その理由は、やはり本来は屋内にあるものというイメージが強い「絨毯」っぽいものが、屋外あるいは半屋外に設置されているということから来る違和感に他ならない。
特に、デザイン性が優れているものに関して言えば、人工芝のような見た目をしているタイプよりも「この上に靴のまま乗ることで汚してしまっていいんだろうか……?」という戸惑いが生まれやすい。しかしその戸惑いをよそに、「外絨毯」はそれなりに雑な扱いをされ、今日もそこに存在しているのだ。
というわけで今回は私がこれまでに収集してきた「外絨毯コレクション」をご覧いただきたい。
外絨毯の生態は実に多種多様だ。六本木などの歓楽街の店ではその管理がしっかりしていることが多い。個人的に六本木は外絨毯パラダイスだと思っている。
あえて汚れやすい白を使うという、挑戦的な試み。
エレベーターの入り口に形を合わせているのも、なんとも配慮が行き届いておりさすが六本木と言わざるを得ない。
逆に管理が適当なのも趣があってとてもよろしい。
ざっくりと巻いた状態で放置してあったり……
シャッターに挟まれていたりもする。一部だけ見えている文字がより哀愁を誘う。
こちらは強風の日に風で一部が捲れ上がっている例。自力では元に戻ることができないがなんとか「いらっし」まで言おうとしているあたり、形容し難い健気さを感じてしまう。
ちなみにこの「外絨毯」、定期的に専門業者が交換して管理してくれている場合と、事業者が自ら管理している場合があるようで、後者の場合は店先やさまざまな場所に玄関マットが干されている様子を見ることができる。
こちらはフェンスに干されている例。シンプルなものと店名が入ったものとの二刀流のようだ。
そこにも干しちゃうんですね、というところにもたくさん干されている。
とりあえず干せればなんでも良いようである。
こちらは、外絨毯1枚に対してあまりにも荷が重すぎるんじゃなかろうかと妙に感情移入してしまった例。このような使い方はあまり見たことがなかったので驚きを隠せなかった。
せめてこういう使い方にしてくれれば、外絨毯も人間も安心できるのに……。
さて、そろそろみなさんもそこらを歩き回って外絨毯を愛でたくなってきた頃ではないだろうか。最後に、とっておきの1枚を紹介して今回は締めようと思う。
ペルシャ絨毯屋の外絨毯である。あっそこはペルシャ絨毯ではないんですね……という感じも否めないが、それだけ外絨毯という存在がその地位を確立しているという事実の表れでもある。君は店の中でも唯一無二の存在なんだよ、そう伝えてあげたい。
今後も外絨毯を愛でる旅は続く。外絨毯の写真を夢中で撮っている私を街で見かけてもそっとしておいてあげてください。