皆様の「なんかいい」写真を紹介いたします

「なんかいい」写真をお送りください(期間:10/29~11/12)

細かい感想や分析を放棄し「なんかいい」に全てをゆだねる「なんかいい」写真を募集し、おかげさまで皆様から沢山の写真を送っていただきました。前回に続いて今回も「なんかいい」写真愛好家の皆様の手元に眠る行き場のない写真たちが我々の元に沢山集まってきました。前回を越える写真の数にうれしく思う反面、全て紹介出来ずに心苦しい限りです。

早速ですが、皆様の「なんかいい」に僭越ながら素人の研究社社員2名で共感のコメントをつけながら紹介させていただきます。

 

あらいはまさん

「急ごしらえの手描きピクトです。いいなあと思いました」

 

「よく見るとそんなに自転車の形をしてないのに自転車だと認識できる。絶妙なラインですね~」

「一時的なものなのでとりあえず記号として判断出来ればいい、その程度の力の入れ具合。高校生のときに自分で髪を切って失敗してしまった同級生の剃り落とされたモミアゲを僕がペンで書いてあげた事があるんですがクオリティはこれより高かった記憶があります。」

 

あらいはまさん

「写真の写真です。バングラディシュ人の友達の家にあった写真を撮ったもので、最高なのでこの写真自体をくれと頼みましたが、撮るのはいいが譲るのはダメと断られました。生花教室に通ってたらしいです。」

 

「ほしくなる気持ち、わかります。生け花どころか人生全部に飽きてません?」

「人の背景に植物があるのが我々の通常ですがこの場合は主役は花ですからその意味では人が背景になっているというのは変ではないのですね。彼の表情からは『俺は背景』という諦めもにじみ出ており、とにかくものすごく考えさせられる作品です。」

 

ZXさん

「初めまして。なんかいい写真を送らせていただきます」

 

「ぴったり! わざわざ穴を開けたとするとその改装費は缶コーヒー何個分なのか。」

「自販機が主役ですがシャッター、自販機、ドア、植木という凝集された横の関係性がとてもよいですね。こういうものに良さを見出すと街歩きが楽しくなるというものです。」

 

さん

 

「なんとなく、二人の仲はいいんだろうな、と思いました。」

「僕にはこれが投獄された江戸時代の罪人に見えて仕方ありません。前回も頂きましたがプロパンガスのボンベって人に見えてしまいますね。」

 

かとみさん

「昼間スナックの店頭に立たされてたお掃除ロボットです」

 

「全体でみるとロボットなのにパーツパーツは見慣れた生活用品というところに、キテレツ大百科を連想しました。ベースの部分の金属部分だけがどこをどう掃除するためのものなのかがわかりません。」

「これはもうお掃除ロボットといわれた瞬間にそれにしか見えてこない。ルンバのプロトタイプと言われたら信じてしまいますね。」

 

win楽さん

「大阪の中津商店街です。愛城心を感じました」

 

「これを撮る人は非常に少ない思いますが、こうして写真で見ると確かになんともいえない味わいがあります。ダンボール、板、コンクリートブロック、そして一輪挿しのような大阪城。よくここで立ち止まってこれを撮ったなと感心してしまいました。」

「お世辞にもきれいとはいえない店内でもベストポジションには城の写真。同じく愛城心を感じます。」

 

営農さん

「ピンク色のポスト。赤いポストの皮をむくと中はピンク色」

 

「私設ポストでしょうか。あえて赤に塗らなかったところに設置した人の機微がありそうです。ポストってけっこう目立つので、違う色ならこの町の風景はまったく違った印象になっていたはずです。」

「『何でもない場所』っていうのが逆にレアに感じつつあるんですが、こういうなんでもない場所にポツンとポストが立っている現象自体が良いのと、あとこれは山の中で突然周囲の景観に全くそぐわないド派手なキノコが生えているのを見つけたときに似た嬉しさを感じますね。」

 

飛び出すな小僧!さん

「なんかよくないですか?街の赤いアイツ」

 

「四角いし赤いし、まったく人らしさはないのに、なぜか人っぽく見えます。僕は漫才師を連想しました。」

「これは2個並んでいるのとサイズが違ったりたてつけに差があるところがとても良いですね。同じものが2個並んでいるのを見るのを僕たちは何か知らないけど好きなんだな。」

 

12月21日さん

 

「屋根がついた自販機、私も集めてます! かわいいですよね!」

「これがとても良いなと思ったのはバス停との妙な距離感と、足元の花ですね。引きの写真も見てみたかったですね。」

 

しまつさん

「なんかシュールで良いなと思いました。」

 

「写真を見ただけでうっかりカレーが食べたくなりました。意外と売上に貢献してるのかも」

「カレーって別に人に言われなくても勝手に食べたくなるし、家でも結構な頻度で食卓に上るじゃないですか。お前に言われなくても食べるわ感ときたら、極端な話『昼は昼食!』という看板みたいなモンですよねコレ。しかしまあ実は気づいてないだけでこうした地道なカレー・サブリミナル宣伝が街中にはあって我々は知らず知らずのうちにカレーを欲する体になっているのかもしれません。」

 

匿名希望

「腰窓の外の屋根や配管を収納スペースにしてるのが、なんかいいと思いました。」

 

「生活感! そういえばこの前、入り口に洗濯物を干しているローソンを見ました。絡まった配線や色合いの違う配管から、少しずつ手が加えられて今の形になったことが想像できていい写真だと思いました。」

「奥行きを楽しむわけですね。山水画に通じるこの手前と奥の構図。実は主役が配管にぶら下がった傘という味わい深さ。」

 

ルークさん

「雑だけどパワーだけは感じる標語と、謎の絵です」

 

「型紙を使って塗ったみたいなので、同じものが近くにいくつかあるはずです。探しましょう。やるぞ!!」

「これも本当に素晴らしいですね。具体性が一つもないのにアジテーションフォントのお陰で決意だけはビシバシ伝わってきます。やるぞ!!」

 

メメクラゲさん

「こんにちは。何となくよい写真がありましたので、供養の気持ちで送らせていただきます。」

 

「金髪で八頭身なのになぜこんなに昭和を感じさせられるのか。『金剛』という単語一ひとつにも時代を感じられていいですね。」

「最近のCMでもいまだにそうですけど日本人って『生活感を出したくない』場面になぜか外国人(特に白人)を使ってしまうんですが、ここは生活感を出していい場面だと思いますよね。」

 

kogeさん

「知らん人の家の前にドラゴン花火みたいな草が生えてましたので。」

 

「これだけ勢いがあるのに生命力を感じない」

「kogeさんは前回も草を送っていただきましたが、植木や街路樹を除けば、街中の植物全般はヒトが作ったはずの街中にありながら人間の意図の範疇外という数少ない貴重な存在だとおもいます。散歩しながらその辺の草を見るだけでとても面白いと思っています。」

 

メダカさん

「『なんかいい』理由は なんとなく たばたの生き様を感じたからです。よろしくお願いいたします。」

 

「ブロック塀をキャンバスととらえてる人、一つの町にひとりはいる気がします」

「こういう生きた文字はとても楽しいですね。色や質感、立体感というんでしょうか。『たばた』という文字列も良いですよね。」

 

ねもとさん

「よろしくお願いします。」

 

「わお! SASUKE!」

「前回も別の方から素晴らしい傘のお写真を頂きました。ビニール傘は使用後に色んな表情で街中に転がっています。この写真のビニール傘は珍しく開いたまま絶命していますね。なんと言うか、ビニール傘の矜持のようなものを感じます。」

 

キョウさん

「いいと思ったポイント:看板の錆び具合」

 

「中央だけ錆びてないのは、布団とか干すのに使ってたのかも」

「門、手すり、街頭、この手の階段に与えられるすべての装備がついているように思います。そこに年季をあらわす錆が加わってますます貫禄を感じる一枚です。」

 

とーとるさん

「浜沿いは風が強く、そのままでは植物がうまく育ちにくいため、フェンス・ハウスを自作していることがあります。ここに人々の植物をなんとか育てたいという欲を感じ、興味を持ちました。写真の自作ハウスではプチトマトを育てているようです。」

 

「これだけ大掛かりに手間をかけて、プチトマト」

「もしほかにも例があるのであれば、これはある地域における一つのハウスのありようとして調査対象にしてもよいほどの興味深い現象のように思います。そこまでしてプチトマトが食べたいのかという部分にも是非焦点を当てて頂きたい。」

 

けっとるさん

「雑なゼブラゾーンです」

 

「駐車場の白線は綺麗なのに、ここだけ下手なのが気になります。やる気の問題なのか、弟子の練習に使ったのか。人のムラがそのまま町のムラになっているいい景色だと思いました。」

「ためし書きなんでしょうかね。もしくはその逆で線を引く材料が余ったのでここで出し切って帰ったか。いずれにしてもあまり目にすることのない貴重な状況です。」

 

深夜さん

「『オートバイ乗り入れ禁止』の看板の手前に、チェーンをギリギリまで引っ張って内側に止めたバイクがあり、意地のようなものを感じました。」

 

「プリウスだ」

「境界を決めるものがチェーンという可動するモノであるがゆえに起きた現象ですね。よく見ると乗り物自体もオートバイと呼べるものか際どいですね。色々とグレーな一枚です。」

 

イイムラヒロキさん

 

「かなしい」

「文字にするときには『ごはん』と『白ごはん』を使い分けしないと誤解を招くことがあります。逆に、白ごはんという言葉を普段口で言う場面は少ないことにこの写真で気づかされました。」

 

shiinaさん

「仕事で池袋の北口を歩いていたとき、遠目から見たら大きい落ち葉??が貼ってあるように見えて風流なことするな~と微笑ましく思い近寄って見たらまさかのシュークリームでその高低差にとらずにいられなかった写真です。」

 

「すごい。なにこれ。すごい。すごい。どんな感情があれば食べかけのシュークリームを投げつけることになるのか。落ち葉だと思って近づいたら頭がくらくらするのも納得です。」

「これは背景が全く分からない写真なんですが、状況としてなかなか無いですよね。壁にシュークリームを投げつけた人はいたかもしれませんが、その後こうして壁にとどまり続けるシュークリームはそう無いのでは。ズズズって落ちますよね。だからこの写真はすごい。」

shiinaさん

「これも池袋の民家で見かけて撮った写真です。なんか書いてあるな~と思って近寄ったら迷いドローンを預かっているという張り紙で優しさにほっこりしたのと現代の落とし物だな~というおもしろさとちょっと字が間違ってるかわいさのコントラストが最高…と思い撮りました」

 

「試しに『ちょっとドローン見せてください』と訪ねても応じてくれそうな人柄を感じます。野球のボールでも手袋でもなく、ドローンなのがやっぱり最高です。」

「昔は空き地で野球をやっていた少年たちのボールがこわいおじさんの家に飛び込んで窓ガラスに…という少年漫画定番のシチュエーションがありました。これはひょっとしたら僕らを待ち受ける未来を写した一枚なのではないでしょうか。」

 

村中貴士さん

「鎌倉にて。メーターもおしゃれに。」

 

「鎌倉に住んでいると、『俺は鎌倉に住んでるんだぞ』というプレッシャーとかあるんでしょうか。」

「検針の人から計器をカモフラージュするのか、など色々考えましたが全く意図が分かりませんでした。やはり単純に飾りなのかもしれません。あまり飾れてないけど、飾りなのでしょう…」

 

村中貴士さん

「電柱のデュエット。(後ろは影です)」

 

「うしろのビルの窓がめちゃくちゃ小さいのが気になります。白くて大きな壁がキャンバスとして機能して電柱を引き立てているように見えます。」

「影まで気にしながら街中を見ていくととても楽しいでしょうね。白い建物がナイスアシストをした格好です。」

 

村中貴士さん

「使用禁止のベンチ。絶対に座らせまいとする意思と、テープの張り方に美しさを感じました。」

 

「几帳面。そもそもこのベンチが使えない理由ってなんなんでしょう。トランプ来日?」

「テープのテクニックが凄いですね。誰に習うんでしょうか、そもそもマニュアルはあるのでしょうか。『使用禁止』と書いても座る人はいるし、何も書かずにテープだけ張ると意味不明だし、という悩みの結果がこれなのでしょうか。などなど、健康体に見えるこのベンチがなぜこんな仕打ちをされるのか非常に気になります。」

 

カポエラさん

「立体駐車場跡地にできたtimesの駐車場です。」

 

「レベルダウン。2台分しかないのに使われてないので立体駐車場が潰れたのは妥当だと思います。前のものの痕跡がそのままなのが実用第一という駐車場にふさわしい立ち振る舞いで好感が持てます。」

「いわゆる『居抜き』が僕は大好きなのですが、これは今まで見た中でもかなりの好物件です。なんかいいどころかめちゃくちゃいいやつです。大幅減益をしてまで縮小したのはランニングコストか建物の老朽化の問題でしょうか。色々と理由を想像することはできますが、とりあえず凄い状態です。違う業種になるならまだしも、レベルを下げてビジネス継続。」

 

【今回もありがとうございました】

皆様、前回に続き今回も「なんかいい」と思わせる行き場の無い写真を当社にお送り頂きありがとうございました。社員二名で勝手に感想を述べたりなどしましたがよさを感じるポイントは人それぞれかと思います。これからも意図や意味にとらわれずただ直感的に「ああいいな」と思った写真を是非集めて頂きたく思います。第三回が開催された際にはまだお写真をお見せ頂ければ幸いです。

では今後とも素人の研究社をどうぞよろしくお願いいたします。