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店番という言葉もすっかり死語になりつつあります。住居と店舗がセットになっている家族経営のお店などでは、店番として中学生くらいのお子さんが座っていることがありました。日本で一番有名な店番はジャイアンこと剛田武、彼はよく店番をサボっておしりを叩かれていました。
しかし今では子供を働かせることもおしりを叩くことも許されなくなりました。そんなジャイアンたちのかわりに働いているのがぬいぐるみです。彼らには人権がないのでいくら働かせても問題になることはないうえに、ジャイアンよりも愛らしい。商売繁盛間違いなし。
そんなお店番をするぬいぐるみたちのいる風景を集めて参りました。
記事の頭にも掲載しましたこのくまさん、塾の前で子供たちをお迎えしているようです。「個別指導」「英才」という文字や合格実績を前に、このやる気のなさは素晴らしい。上司の前でこの座り方をしていたら会議室で十五分ほどのお話が行われる可能性あります。
店番用のぬいぐるみは目立つように大きいものが選ばれやすく、必然的に自立が難しくなるのでこういった光景がよく見られるのです。
店内にあるライオンが眼光鋭くこちらを見つめているのも気になります。
続けてくまさんです。美容室のお店番をしている彼はほどよいサイズ感で安定していました。「OPEN」の札を掲げており仕事熱心で関心です。
同じく美容室なのですがこちらはちょっと様子が違います。子供カットをアピールしているように、お子様が喜ぶように置かれたものなのでしょうが、モグワイを選ぶセンスが素晴らしい。
映画『グレムリン』はとても面白いので子供ができたら見せましょう。
またもやくまです。くまの中で店番が流行っているのでしょうか。営業時間外に通りかかったので店内に収納されています。サイズもかなり小さ目で、版権もの。
同じくディズニーからミッキーマウスのぬいぐるみです。ディズニーランドであればお出迎えは人間のスタッフの仕事ですがここはクリーニング屋さん、洗濯ができない以上店内の仕事は任せられません。
お店番ぬいぐるみ界の風雲児、まさかの公式マスコットが参戦です。マッサージのてもみんのキャラクターのようで、顔が手になってるうえにぬいぐるみとしては珍しく両手がきちんと五本指になっていました。しかしどんなにしっかりした素材で作ってもだらしなく座っている感じがでてしまうのがこの業界のいいところ。
セブンイレブンの店頭で出会ったこのふたご、「こんにちは」などの音声が聞こえてきたので不思議に思っていたのですが、お店番ではなくお客さんの持ちものでした。
続けて変化球のご紹介。中野のおそば屋さんの店頭で出会いました。ぬいぐるみと呼ぶのはちょっと違うような気もしますが、役割は同じなのでお仲間とさせていださきます。
スターウォーズエピソード1からダースモール卿です。彼は営業中は「やってるよ」営業時間外は「おしまい」の札を掲げております。なぜある種のおじさんはダースモールが好きなんでしょう。
最後は薬局のお店番です。やはりディズニーは人気です。こうしてぬいぐるみが置いてあるだけで小さなお子様が「また行きたい」と思ってくれるかもしれないので、彼らは立派に働いております。
どうしてもくたっとなりがちなぬいぐるみをしっかり支えるために、剣道の防具を着せられていました。おそらくここの子が剣道部だったのでしょう。それだけだとちょっと怖いかもしれないので、かわいいメッセージも書かれています。まさに工夫。プーさんの可愛さだけでなく、店主さんの愛嬌も伝わってくるいいお店でした。
○分析
お店番ぬいぐるみ業界ではやはりくまが強く、およそ半数のシェアを獲得しています。業種においては小さな子が出入りする店に偏ると予想されましたが今のところ目立った傾向はみられませんでした。まだサンプル数が少ないので今後の課題とします。
ちなみに今回収集した9体のお店番をだらしなさ順に並べるとこのようになりました。やはり大型のものが愛らしくくたびれやすく、なかでもくまが群を抜いてやる気がありません。がんばれくまさん。
このような愛らしい風景に遭遇したときは素人の研究社までお知らせください。