雨どいからの排水口に蓋、その発生のメカニズム

ある日、家族で散歩をしていたのですが

<写真1>

気になる排水口を発見しました。

排水口に何やら蓋のようなものがしてあります。出口に蓋。つまり遮りたいと持ち主は思っていることが伺えます。

さらに数メートルほど歩いていくと

<写真2>

排水口に蓋とまでは言えませんが、植木鉢で排水口を遮断しているように見受けられます。さらに進んで行くと

<写真3>

完全に排水口が塞がれ、とどめに重石までのせられたケースが現われました。よっぽど迷惑している様子が見受けられます。

ここまでの私の感想を下記にまとめます。

<写真1>を見かけた時は「蓋がついている。面白いな」

<写真2>を見かけた時は「あれ?また排水の出口が塞がれている。排水口で何か困っていることがあるのかな」

<写真3>を見かけた時は「もしかして雨樋を不要と思ってる?」このような感想を持ちました。

<写真1><写真2><写真3>のように排水口に手を加える背景には

・排水口に不満がある

・雨樋そのものに不満がある

このような理由があるのではと考えました。

住宅に必ずといって良いほど付属している雨樋ですが、実は必要とされない無用な雨樋もあるのではないか。そう思ったのです。

そこで今回「雨樋はトマソンに成り得る」という仮説をたてて雨樋の調査をすることにしました。

 

雨樋の排水口を観察する

まずは雨樋の排水口を観察してみました。

観察した結果雨樋には排水口が地上にある排水口地上タイプとダイレクトに側溝や下水道に流れる構造になっている排水口地下タイプに分かれていることがわかりました。

以下症例です。

排水口地上タイプ

↑スタンダードな排水菅。カラーバリエーションはグレーが多い。

↑サイドの赤い棒に挟まれた排水管。塗装までされており大切に扱われている様子です。この住人に雨樋は不要なのでは?なんて言ったら怒られそうです。

 

排水口地下タイプ

↑どうやら築年数が浅い物件の雨樋は排水口地下タイプが多い様子です。排水管とは一見わからずおしゃれです。

↑排水口が地下に埋め込まれたタイプ。こちらも外壁と色味を合わせていてスタイリッシュですね。

↑新しい物件だけが排水口が地下のタイプかと思いきや結構年季の入った物件でも採用しているケースがあります。

排水口が地下のタイプがあるということは、やはり地上に設計された排水口に不満があり迷惑をしている人が多いということなのでしょうか。

 

排水口をなんとかしたい

雨樋はともかく排水口に頭を抱えている人は本当に多いのでしょうか。そもそもどんなことに迷惑をしているのか調べてみたところ、水跳ね、水溜まりなどの被害が挙げられていました。

現地調査を進めていくと、排水口と戦う地域住民の姿が見えてきました。

 

排水口に別の排水管を繋げるパターン

↑別の排水管をテープで補強して連結しています。元々はストレートだった排水管を屈曲させ排水口を地面に密着。水跳ねに悩んでいたのでしょうか。

別の排水管と接続させて、地下に流れるようにした模様

 

生活の知恵でなんとかしている

冒頭でも紹介した写真もそうですが、生活用品で改善させようとしているパターンです。排水口だけではなく、あるものでなんとかしようという姿勢や工夫を街角で見つけた時は胸が高鳴ります。

ペットボトルとお菓子の空き箱?と思われる分解したプラスチック箱を合体させています。この分解したプラスチック箱を繋げることで水の流れを緩やかにする効果があるのではないでしょうか。

 

受け皿で工夫

地面に石をいくつか置くことで滴る水の衝撃を弱くしている様子です。

強引に曲げて水道に流れるように。お見事です。

思いきって生き埋めに。よほどお怒りだったのでしょうか。

 

このような調査の結果から排水口になんらかの不満を抱えている人が多くいるということがわかりました。しかし、雨樋そのものに不満があるかどうかは紹介した写真からはっきり汲み取ることはできません。

しかしこちらはどうでしょう

これは雨樋の排水管だった「管」ではないでしょうか。今は特に活躍していない様子の無用な排水管…つまりトマソンではないでしょうか。

「雨樋はトマソンに成り得る」の仮説を立ててはじめた今回の調査結果ですが、調査結果は立証されたと自己評価致しました。

今回雨樋として機能をしていない排水管を見つけたのは1症例だけでしたが、世の中には無能な雨樋が存在していることでしょう。

今後も機能していない無能な雨樋を見つけましたら皆さんにご報告したいと思います。