何かが壊れると人はまずテープによって修復を試みる

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早いもので素人の研究員となって丸2年が経とうとしています。

この2年間を振り返って思うことは、我ながらよく頑張っている そう思います。

「このカエルの表情、すごく良い」

ある日わたしは飼い犬とトボトボ歩いていたのですが、生き生きとした表情のカエルの鉢植に遭遇。その愛らしさと艶やかさが気に入りシャッターを押しました。

それから半年ほど過ぎたまたある日。

カエルに異変が。

何があったかは知りませんが、あんなに生き生きとした表情だったカエルの目は虚ろ、体の艶やかさは色褪せ、植えられた植物もそれにつられて落ち込んでいる様子でした。

もうこのカエルからあの日のトキメキは感じられず、正直なところ「捨てろ」私はそう思いました。しかしひび割れに沿って丁寧にテープで修復されているカエルから

「割れてしまったけれど、もう少し使ってあげたい」

という持ち主の思いが汲み取れます。「使いたい」ではなく「使ってあげたい」と思う理由はテープの色にあります。オーソドックスな茶色のガムテープでも修復は可能ですが、あえて緑色のテープを選んでいる点から「傷跡を少しでも目立たなくしてやりたい、なんとかしてあげたい」という親心のようなものが感じられました。

もしかしたらたまたま家にあったテープが緑だったのかもしれませんが、この持ち主がカエルに愛着があるということには間違いないと思います。だって捨てないわけだから。

街を歩いていると、結構な頻度で「捨てろよ」と思ってしまう年季の入った代物に出会います。

こちらは愛着というか「もったいない」という気持ちが前面ににでていると解釈。

「もったいない、もったいない」と何重にも重ねられたガムテープが地層のようになっています。下のほうはガムテープじゃ事足りずガムテープを剥がしてボンドか何かで止められたようにも見受けられます。

機能障害をおこした植木鉢をなんとかまだ使おうと奮起してここまで修復したのにも関わらず、結局植木鉢は植木鉢として機能していない。やるせなさが募ります。

またある日は、よく頑張ったと肩があったらたたいてやりたいパイプ椅子と出会いました。

骨の髄までしゃぶり尽くされ、座るところを失いもはやパイプです。もうここまでくると頼むから捨ててあげてと言いたくなります。

上記の植木鉢やパイプ椅子を観察していると、つくづく日本人は「もったいない」が染み付いた物を捨てられない民族なんだと感じます。

物を大切にすることは良いことだと思います。だからといって不要なものを溜め込むのはどうかと思います。不要か不要じゃないかの判断としては

修復しても、その物が機能し活用されていれば「物を粗末にせずに大切にしているね」と評価されるのではないでしょうか。そしてそういった一見ボロボロでも大切にされている物には味が感じられますし「きっと持ち主は良い人」と持ち主の顔も知らないのに勝手に拍手を送りたくなるのです。

ところが物の所有が個人から組織に変わった途端、見え方が変わってきます。お金ないのかな。前述の修復跡を見て「持ち主は良い人そう」と思う感性をしている私ですが、この写真から思うことは経営の心配。社名を間違えたのか、それとも社名が変わって無理やり修正をしたのか。白く塗りつぶしたために隠したいはずの修復跡がかえって目立ってしまい、エロ工業に見えてくるから皮肉な物です。

公共物の修繕を観察してみるとその地域の活性具合がわかります。例えば道路。段差が少なくベビーカーを快適に押せるような道路の街はお金持ってるんだろうなということが想像できます。コンクリートで再修復された後、欠けてしまった「れ」をテープで貼り直しています。おしくも「れ」が骨折していますが、難しいカーブの部分をうまいこと再現していて好感が持てますね。

見事なコメ印を見つけました。

イタズラでしょうか。四角く切り抜かれてしまった駐車場のフェンスに荷造り紐をピンと張って丁寧に修復されています。しかし右側は道路になっており容易に駐車場に入ることができるため、この切り抜きを修復してもしなくても機能的には問題ないのです。ではどうしてこのように修復をしたのでしょうか。

私はこう考えます。おそらくこのコメ印は管理人の怒りマークだと。見てます!のサインではないでしょうか。紐の張り具合から管理人は几帳面な性格なのではとも推測ができます。

おそらくフェンスの完璧な修繕も素早く行われるのではないでしょうか。

 

…2ヶ月後

すぐになおるとの予測とは裏腹に修繕されるどころか余計ひどくなり、コメ印も撤去されていました。

 

さいごに今回の調査を通して培った知見から1つご提案をさせていただき、今回の発表を終えたいと思います。

・ごく普通のガムテープで埋められた排水管(?)

・排気口をどうにかしたかった様子だが、どうにもならず風になびくガムテープ

・ガムテープで補強しようとしたが引き離されたステップ

・ガムテープで補強したものの見事に大破したステップ

 

室外の物の修復には、ガムテープより防水テープの方が適しているのではないでしょうか?