押したのと違う飲み物が出てくる自販機から正しい商品が出てくる確率に関する調査

ある、寒い日の朝のことでした。当時の季節は3月。とはいえ冬の寒さはまだまだ健在で、コートが手放せないような、そんな気温です。

いつものように会社に出勤した私は、朝の気だるさを絶ち切ろうと、また冷えた身体を温めようと、ホットコーヒーでも飲もうかと思い立ちました。

 

そこで、給湯室にある自販機でワンダモーニングショットを買おうと、ボタンを押したのです。

 



 

するとどうでしょう。なんと、別の段にあるドデカミンストロングが出てきたではありませんか。

この寒い日に冷たい、しかもドデカミンという、「コーヒー」からかけ離れた商品の登場に大変驚かされました。共通点なんてカフェインぐらいなものです。

1回目は「間違えて押したかな。」などと思っていたのですが、その後も続くドデカミンストロングに、これは自販機側に問題があると確信しました。

この自販機、いつからここに存在しているのかはわかりませんが、なかなか古いものと見受けられます。なにせ新500円玉がほぼ認識されません。悲しい。

きっとボタン認識システム?にもガタが来ているのでしょう。だから正しい商品が出てきたり、出てこなかったりするのでしょう。

このような状況の中で、欲しい商品が出ないという憤りと、それを凌駕する「一体どれくらいの割合で関係ない商品が出るのか」という好奇心が私の中に確かに芽生えたのです。

 

気づけば私は冒頭の動画を撮った3/11を起点に、調査を始めていました。

「他の人も使うのにその状態を放置するのか。さっさと自販機の管理会社に連絡して修理してもらえ。」という声が聞こえてきそうですが、筆が遅い私を、どうか、どうかお許しください。

 

 

3/11~3/15



2019/3/12

 

給湯室に行くと、これから客先に行く先輩社員からドデカミンを手渡されました。

「間違えて買ったからあげるよ。」

そう言った彼の手の中では、モーニングショットの隣の、ワンダの微糖の金色のパッケージがキラリと光を放っていました。

 

彼は多くは語りませんでしたが、彼もまた、きっとこの不条理の餌食になったのだと、握られたワンダの微糖から私は悟ったのです。コーヒーを欲した彼は、モーニングショットを諦め、微糖を追加購入したのでしょう。

受け取ったドデカミンもありがたく計上させていただくことにしました。

 

 

 

3/18~3/22



2週目にして調査に早くも暗雲が立ち込めてきました。ドデカミンが全くでないのです。

いや、これが正常な状態であることは百も承知なのですが、記事を書く身としてはなるべく結果が拮抗していてほしいという、スケベ心のようなものが出てきてしまうのです。

とはいえまだ2週目。もう少し様子をみることにしてみました。

 

 

 

3/25~3/29



この週は少し動きがありました。1枚目の写真をみていただけるとわかるように、ワンダの「プレジデント」という商品がでてきました。

違う商品が出てきたとはいえそこはコーヒー、こう何日も飲んでいると普通に飽きてきます。ドデカミンばっかりでるときはコーヒーを望んでいたのに、不思議なものです。

あと関係ないですが、缶ジュースばっかり飲んでるとだんだん体調が悪くなってきます。助けてくれ。

この週は1日2本以上飲んだ日もあり、比較的多くのサンプルが集まりましたがモーニングショットの圧倒的優勢な状況は変わりませんでした。

 

 

 

4/1~4/26






 

進学、就職…

新たな環境へ今まさに飛び立った方がたくさんいる中、私はあいも変わらず、ただひたすらに缶コーヒーを撮り続けておりました。

この1カ月間はモーニングショットしか出なかったので1カ月分ダイジェスト的に紹介しているのですが、「もしや自販機が直ったのではないか。」「記事として成り立つのだろうか。」と人知れずよくわからないベクトルの不安を抱えながらコーヒーを飲み続けておりました。

ー今まで、一体何杯の《闇》をあおったか、おぼえていねぇー

『逆転裁判3』というゲームに登場する「ゴドー」というキャラクターのセリフです。彼ははコーヒーが好きで、人間が持つ闇と、漆黒のコーヒーをかけたこんなセリフを言っていたことを思い出しました。

ちなみに調査開始~ここまでの間で私があおった闇は53杯でした。

 

===

 



2019/5/7

 

気づけば元号が変わっていました。

長かったゴールデンウィークが終わり、休みボケの体に鞭打ちながら出社し、給湯室に来てみると、ホット飲料の提供が終了し、商品の配置やラインナップが変わっておりました。

しかしモーニングショットは冷たくなってなお、相変わらず同じ位置に鎮座ましましています。

ホットが終わったらこの検証をやめようかとも思っていまいしたが、もしかしたらモーニングショット以外が出るかも知れません。

淡い期待を抱きながら、いつものように左から2番目のボタンを押しました。

 



 




なんということでしょうか。

今度はドデカミンのとなりにあるロイヤルミルクティーが出てきたではありませんか。

この自販機は元号を超えて尚、調子が悪かったのです。幸先の良いスタートに、令和は良い時代になりそうだと思いました。

そんなわけで調査を続行することになりました。

 

 

 

5/7~5/10



相変わらず自販機としては終わっているわけですが、なかなか良い出だしです。
確率的には大体半々といったところでしょうか。

面白くなってきたところなのですが、そういえばこの調査の終わりを決めていません。
商品のモーニングショットがあの位置から消えるとか、そもそも自販機がなくなるとかあればオチとしては良いのですが、その状況になるとは考えられません。

そこで100を目標に調査をすることにしました。サンプル数としては十分でしょう。あと私の体調も限界です。

 

 

 

5/13~5/31





 

約3週間ほどの結果です。

ミルクティーの方が優勢といった感じです。もう一度おさらいしますが、押しているのはワンダモーニングショットのボタンです。

ちなみに左端に赤文字でなにか書いてある写真がありますが、これは撮り忘れのため他の写真をコピーしたものです。決して水増しではありません。

私の勤めている会社の入っているビルの同じ階には他の会社も入っているのですが、今までクレームとかこなかったのか心配になります。(こんな記事書いてる奴の言うことではありませんが。。。)

 

さて、ここまでのサンプル数が94。基本1日2本ほど飲んで調査をすすめているので、次の週で目標の100に到達することができるでしょう。

嬉しいような、寂しいような、複雑な気持ちを抱えて週末を迎えることになりました。

 

 

 

 

6/3~6/5



 

最後の週は図らずも6月の1週目になりました。

自販機の前で買ったジュースを毎日写真に収めるなどという奇行を他の社員さんに見られまいとこそこそ3カ月ほど続けたこの調査もようやく終わりを迎えました。

最後の1本はモーニングショットではなく、ロイヤルミルクティーでした。

 

 

 

 

まとめ

 

そんなわけで最終結果です。



 

全100サンプル(写真は99枚ですが、1枚に2本移っている写真があります。)を集計したところ以下のような結果になりました。

 

ワンダモーニングショット 68
ドデカミン 6
ロイヤルミルクティー 25
その他 1

 

正しい商品(ワンダモーニングショット)が出る確率は約7割、単純計算すると大体3回に1回ほどの割合で関係ない商品が出てくる計算になります。

個人の体感的にモーニングショットが少なく感じたのですが、ロイヤルミルクティーが出るようになってからミルクティーが25に対してモーニングショットが16。約6割ほどの確率で本来の商品が出てきていないからだと思います。

私と同じ会社に、もとい同じビルの同じ階に勤めている皆様に置かれましては、件の自販機を使用する際には年頭においていただけると飲料の選択に役立つのではないかと思います。

 

私はいい加減、自販機の管理会社に連絡しようかと思います。