「柵」とは何か?―観察して考えた「柵」の意味

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きっかけは突然でした。

「こういう細い柵の写真を持っている人がいたらください。」

素人の研究者の社長が細い柵の画像を探していたのです。

社長に従順であり社の犬である私ですから、社長の欲しいものは1分1秒でも早く提供しないとなりません。しかし

「細い柵」と言われても残念ながらいまいちピンとこなかったのでした。

そんなある日、トボトボ道を歩いていましたところ

細い柵らしきものを発見したのです!

これはお手柄です。まだ他の社員は細い柵の画像を提供していませんでしたから、私が1番のりで細い柵の写真を提供できれば、お手柄→社長のお気に入り→出世の構図の完成です!

高ぶる気持ちでシャッターをきり、すぐに社に報告です。すると

「これは木の支えでは」

なんと、私が細い柵だと思っていたものは柵ではなかったのです。手柄どころか失態です。出世どころか失脚です。

でも…..

この2枚の写真、似てませんか?何が違うのでしょうか?私は気づいたのです。私は柵を知らないということに…

「細い柵って…..なに?」

ということで今回名誉を挽回するために、「柵」について考えてみました。柵をあちこち探した結果、お陰様で92の柵の観察をすることができました。これで出世間違いなしですね。それでは調査の報告をしていきたいと思います。

やってみよう

「柵も知らないなんてこいつ馬鹿かよ」と思いのみなさん。あなた本当に柵を知っていますか?ここでどのくらい自分が柵を知っているのか、柵認識テストを是非やってみてください。

「柵認識テスト」この中で柵であるものはどれでしょう?

いかがでしたか?難しかったでしょう〜!!答えは作中で解説していきますので読みながら答え合わせしてみてくださいね。

柵を語る

そもそも柵の概念を知らないと柵を語ることができません。柵ってなんだ?まず柵の概念を知るべく「柵」について調べてみることにしました。

(さく)は、所有者や用途などが異なる2つの土地の境界線を隔てたり、崖などからの転落を防ぐために、人や乗り物などの侵入を防止することを目的として設けられる構造物。木材や竹、枕を支柱として等間隔に並べ、これに渡すように横木(あるいは竹)を横方向に固定して作る。横木ではなくロープやチェーンなどが用いられることもある。

Wikipedia引用

 

角材または丸太をまばらに立てて貴(きぬ)を通し、土地の境界・区画などに設けるかこい。

広辞苑【第七版】

 

角材または丸太をまばらに立て、それに横木をわたした囲い、垣根。また、仕切りの金網など。

現代国語辞典 例解【第五版】

 

木やくいなどを立てならべてつないだかこい。

三省堂国語辞典・七・阪神タイガース仕様

 

とのことです。

なので②のこの写真は理想的な柵の写真と言えますね。

「柵」であることで大切なのは「横木をわたしているかどうか」これがポイントになります。つまり

柵確認テストの5問目。等間隔で棒が立ててあります。ここはレンタル農地で、決められたスペースに利用者さんが好きな野菜を育てているのですが、この棒。これはなんのために立てているのか、この農地の持ち主に尋ねてみました。すると

「利用者さんの畑と畑を区切るために立てているんですよ。」

とのこと。つまり土地の境界線の役割としてこの棒は立てられているので、目的は「柵」と一緒ですが、「わたし」がないから柵ではないということがわかります。ロープ等で繋いであれば柵と言えるということです。なので⑤は柵じゃないと答えたあなたが正解です!

ここで「はいはい、ポイントは横木のわたしね……えっ!?」ってなった方いらっしゃいます?そうですよね。腑に落ちませんよね。素晴らしい。実に鋭い。ご自分の感性に自信を持ってくださいね。

冒頭で細い柵を探していた社長のこの写真。

横木が……ない

そう、横木がないんです。なので広辞苑第七版的にも例解第五版的にも「これ、柵じゃないですよ社長」ということが言えるんですね。あらやだ社長ったら!と思った私でしたが、しかし実はもう1枚社長から写真が送られてきていまして。それがこちら

横木?

写真の右側に注目してください。左の孤立した細い木と同じような木が右側でも確認できると思いますが、その右側の細い木から「横木のわたし」が確認できます。つまり

この細い木は「元柵だった」ということが伺えます。なんらかの理由で横木がカットされてしまい孤立したのでしょう。こんなのよく見つけましたよね。

わたしは調査を通して思いました。遠くアメリカに住む社長はおそらく変態だな、と。

一方こちらは③の写真。生木に横木がわたっていますから「柵だろ!」と回答したあなた

不正解!!!!

これは何かというと支柱(横バージョン)だそうです。苗木を支えているそうです。植木屋の父が教えてくれました。ちなみに

わたしが細い木の柵だと思って社に送ったこの写真。これも支柱です。今となってはなんでこれが柵だと思って送ったのかと恥かしく思うのですが、おそらく細い木が活躍しているものは柵だと思ったのでしょう。馬鹿ですね。でも支柱と柵って似てるよなと調査を通して改めて感じました。

この写真は支柱と柵が入り組んでるように見えますし。柵も奥が深いです。

次に柵確認テスト第1問目のこの写真

道路でよく見かけるガードレールですが、このガードレールも「柵」です。防護柵と言います。ガードレールと言えばこの白い形のものを想像される方が多いかと思いますが、

このように町の景観に考慮してデザイン性のある防護柵も活用されています。葉っぱ柄ですかね。

そして4問目

実は最初見かけた時に柵かどうか悩んだのですが…わたしはこれは柵だと考えます。悩んだ訳は「かこっていない」からなのですが、でもそしたらガードレールも囲っていないものもあるし、目的としては芝への侵入を注意する、車の侵入を防ぐための物でしょうから、④は柵であると判断しました。

「車両侵入禁止」とわかりやすい文字や看板がなくても、青い柵が車両の侵入禁止を訴えていることがわかります。

つまり広辞苑や国語辞典で柵を定義する「かこい」の部分が欠落していても「柵」と解釈できる場合があると言える。このように考えました。

これなんて横木もないし囲ってもいないので「柵」ではないことは一目瞭然なのですが、細い棒が1本立ててあることで「入らないで」と健気に訴えているように感じられ、1本の棒だけでも柵としての機能を果たしているように見えます。わたしの柵への概念の勘違いはこういうところから発生したのでしょうきっと。

ガバガバな柵

このように柵として完成度が高くなくても、私たちは無意識に「入っちゃいけない」と判断していることがわかりました。ある程度柵っぽい雰囲気を出していれば大丈夫。みんなわかってくれる。このような甘えからなのでしょうか。

街にはガバガバな柵が結構あります。せっかく途中までこんなに高いフェンスで囲ったのに簡単に侵入できてしまいます。実は私、この隙間から飼い犬と侵入して斜面を登り、斜面上の広い空き地で飼い犬と遊んだ思い出があります。すみませんでした。

途中までいい感じだったのに疲れちゃったんですかね。

柵がほぼフレームだけになってしまいましたが、タオルかけとしては役目を果たしているようです。

人もキリンも信用しすぎているように思うのですが…大丈夫なんですかね。

異素材mix

丸太や角材以外にも柵として活躍している様子を見かけました。

角材が大人しく連れられる子供のように見えます。

がっちりした親木に引っ張られているように見えますが、よく見ると鉄パイプともロープが繋がって柵としての役目を果たしています。

細木とカラーコーン

ガードレールとカラーコーン。カラーコーンが拷問を受けているようです。

突っ張り棒で代用。棒と棒の間隔を狭めることでより強固な柵となります。

出世を狙う細い柵

そもそも今回のオーダーが「細い柵の写真ください」だったので細い柵を集めてみました。これでわたしも係長。

細い、こりゃ細い。弱風でもへし折れそう。どこでこんな細木集めてきたのでしょうか。さらに細木に短冊のような注意書き「入らなで」の切なる願い。そっとしておきましょう。

これも細い。しかも細いウネウネも混ざっています。閑散とした空き地にゲリラ栽培。勝手に育ててる感が否めません。

細木に黄色いテープで囲った柵の様子。柵も良しですが横並びのペットボトル、さらに奥に佇むプロパンガス4兄弟の整列が地方感を表しててイイ感じです。

無修正画像。いじってませんよ。

細い柵(横木バージョン)と横たわる細木

終わりに

皆さんいかがだったでしょうか。楽しかったですか?わたしは楽しかったです!

最後に柵が柵としての機能を失い、まったく別物として第二の人生を歩んでいた柵の実態を紹介して終わりたいと思います。

柵がゴミネットの収納スペースの一味となって活躍しておりました。彼らはもう柵であって柵でないのです。フェンス=柵なので概念は柵だけど、柵じゃないのです。彼らは本当は意にそぐわず悶々としているかもしれませんが、どちらも立派にやっているじゃないですか!感心ですね!皆さんも生きていると不本意なこともあるかもしれませんが、頑張りましょう!!わたしも92の柵の観察したのにも関わらず出世できなかったとしてもめげませんから。